1. スミ入れとは?
スミ入れは、ガンプラのモールド(彫り込み部分)やパネルラインに色を入れて立体感を強調する仕上げテクニックです。素組みでも映える完成度を、一段と引き上げることができます。
2.スミ入れの種類と方法
シャープペンシル式
必要な道具
- シャープペンシル(0.3mm〜0.5mm)
- 消しゴムまたはティッシュ
- 定規やガイド(真っ直ぐな線を引きたい場合)
やり方
- モールドに沿ってシャープペンで軽くなぞる。
- 軽くティッシュで拭き、色をなじませる。
- はみ出し部分は消しゴムで消す。
特徴
失敗しても簡単に修正可能で、淡く自然な仕上がりになる。
おすすめ度
- 手軽さ ★★★
- 仕上り ★
市販のシャープペンシルでも大丈夫ですが、「ガンダムマーカー スミいれペン シャープ」も販売されています。
ペンタイプ(スミ入れペン)
必要な道具
- スミ入れペン(ガンダムマーカー スミいれ/極細タイプ)
- 綿棒または消しゴム(修正用)
やり方
- モールドに沿ってペン先で線を引く。
- はみ出し部分は乾く前に綿棒や消しゴムで拭き取る。
特徴
手軽で道具が少なく、初心者におすすめ。
おすすめ度
- 手軽さ ★★★
- 仕上り ★★
ガンダムマーカー スミいれ ふでぺん 水性 ふきとりタイプ
ガンダムマーカー 流し込みスミ入れペン
など他にも種類があります。
流し込み式(エナメル塗料)
必要な道具
- エナメル塗料(ブラック、グレー、ブラウンなど)
- エナメル用薄め液
- 極細筆
- 綿棒
- 作業用パレットや小皿
やり方
- エナメル塗料を薄め液でやや薄める。
- モールドの起点に筆先を軽く当て、毛細管現象で自然に塗料を流し込む。
- はみ出した部分は乾燥後、薄め液を含ませた綿棒で軽く拭き取る。
特徴
自然な陰影が出やすく、広範囲のモールドに向く。
おすすめ度
- 手軽さ ★
- 仕上り ★★★
スミ入れ作業は慣れれば簡単です。色の調整が出来たりメリットもありますが、準備と片付けが面倒です。
- ラッカー、アクリル塗料で塗装した上からでも使うことができますが、エナメル塗料の上から使用すると下地が溶けてしまうことがあるので注意してください。
- 無塗装のパーツにスミ入れをする場合は、パーツが割れやすくなるので注意してください。
特に白系のパーツ、小さいパーツは割れやすいです。
流し込み式(スミ入れ塗料)
必要な道具
- タミヤ スミ入れ塗料(ブラック、グレー、ブラウンなど)
- エナメル用薄め液
- 綿棒
やり方
- モールドの起点に筆先を軽く当て、毛細管現象で自然に塗料を流し込む。
- はみ出した部分は乾燥後、薄め液を含ませた綿棒で軽く拭き取る。
※塗料が沈殿しているので、使用前によく振ってください。
特徴
自然な陰影が出やすく、広範囲のモールドに向く。
おすすめ度
- 手軽さ ★★
- 仕上り ★★★
スミ入れ塗料の蓋裏に専用の筆先が付いているので、そのままスミ入れできます。
私がいつも使用している方法です。個人的には一番おすすめ。
はみ出した塗料を完全に拭き取らずに、少し残すことでウェザリングっぽい感じにも仕上げられます。また、細かいところを拭き取る場合は、クラフト綿棒やフィニッシュマスターなどを使用すると便利です。
こちらもエナメル塗料を使用していますので、以下にご注意ください。
- ラッカー、アクリル塗料で塗装した上からでも使うことができますが、エナメル塗料の上から使用すると下地が溶けてしまうことがあるので注意してください。
- 無塗装のパーツにスミ入れをする場合は、パーツが割れやすくなるので注意してください。
特に白系のパーツ、小さいパーツは割れやすいです。
3. スミ入れの色選びのポイント
- ホワイト系パーツ → グレーがおすすめ(黒だとコントラストが強すぎる場合あり)
- ブルー・レッド系パーツ → ブラックまたはダークグレー
- イエロー系パーツ → ブラウン(やわらかい印象になる)
基本的な考え方はありますが、個人の自由で大丈夫です。私はホワイト→グレー、その他→ブラックにしています。ブラック系パーツに敢えてグレーを使用してみたり、色々と試してみましょう。
4. 仕上げのトップコート
スミ入れ後は、トップコート(つや消し・光沢・半光沢)を吹くことで色を定着させ、完成度がさらにアップします。
つや消しトップコートの後にスミ入れを行うと、滲んでしまうことがありますので注意してください。
5. まとめ
スミ入れは、ほんの数工程でガンプラの完成度を大きく引き上げられるテクニックです。ペンタイプから始めて慣れてきたらエナメル塗料に挑戦すると、より繊細で本格的な仕上がりになります。失敗してもある程度は修正が可能なので、気軽にチャレンジしてみましょう。
6.補足 スミ入れを行うタイミング
1. 素組み後(組み立て後)に行う
- 一番ポピュラーな方法。
- パーツを全部組んでから、完成状態でスミ入れします。
- メリット:完成イメージを見ながら作業できる。
- デメリット:入り組んだ部分はペンや筆が届きにくい。
エナメル塗料を使用する場合は、パーツ割れの可能性がある。
2. 塗装後に行う
- 全塗装派や部分塗装派の場合、塗装が終わってからスミ入れします。
- 塗装により、モールドが浅くなってしまうので、先にスジボリなどでモールドを掘りなおすことをお勧めします。
- メリット:塗装の上に直接スミが入るのでクッキリ見える。
- デメリット:クリアコートで保護しないと拭き取りで塗装が剥がれる可能性あり。
3. 部分ごとに組み立てながら行う
- 腕、脚、胴体などのブロックごとに組みながらスミ入れ。
- メリット:細かい部分も作業しやすく、拭き取りもラク。
- デメリット:全体のバランスを確認しづらい。
私はいつもパーツを切り出してすぐ後、組み立てる前にスミ入れを行っています。無塗装ですがパーツが割れたことはありません。
パーツ割れが心配な方は、この方法を試してみてください。