地 球 連 邦 軍 機 甲 海 兵 師 団 に 配 備 さ れ た“ 幻 の機 体 ” が 登 場
1989年発行『Monthly Bandai Making Journal』企画『F.M.S』より、ジム・スパルタンがHGシリーズで商品化されました。デザイナーは福地仁氏。プレミアムバンダイ限定販売です。
地球連邦軍が一年戦争のさなかに開発した、陸上戦闘や対ゲリラ戦に特化したモビルスーツがジム・スパルタンです。基本フレームはジム・コマンド系に用いられるG型をベースにしており、熱帯地域での配備を想定した改良が施されているため、「ジム・コマンドの局地戦アレンジ機」とも表現できます。
開発は他のジム・コマンド系列と同様にオーガスタ工廠が担当しました。外観に見られる特徴としては、ジム・スナイパー系を思わせる外装形状や、頭部バイザー内部に組み込まれたモノアイ式カメラが挙げられます。また、同時期に開発されていたジム・スナイパーⅡと技術的な関連性が強く、ジム・スナイパーⅡの設計を下敷きにしつつも、完成時期はジム・スナイパーⅡより早く、いわば兄弟機的なポジションにある機体です。
今回は、「RGM-79S ジム・スパルタン」を
の簡単フィニッシュをした状態でレビューしていきます。


亜熱帯地域にて隠蔽率をあげるモスグリーンの機体カラーが成形色で再現されています。ダークグリーンやグレーのパーツが全体の重厚感を演出。全体的なフォルムも戦車のようなミリタリー感があります。
シールで補完される部分もありますが、素組みでも落ち着いた雰囲気に仕上がります。迷彩塗装やウェザリングを施すと、より「特殊部隊らしさ」が際立ちます。


各部ディテール
頭部

メインカメラはブルーのクリアパーツ。内部センサーのディテールも細やかに再現されています。内部カメラにはホイルシールが使用されています。

側面部にはスモーク・ディスチャージャーがあり、ジム系でありながら個性が際立ちます。
腕部


追加装甲が施され、力強いシルエット。肩部装甲上部または前腕部のマウントラックに、WAMM(有線式対MSミサイル)やビーム・サーベルをマウント可能です。
胸部

胸部の装甲は胸部ダクトからの赤外線反応を低下させる機能があるようです。
左肩の投光器(センサー?)とV字マークのイエローはホイルシールで再現されています。(写真は部分塗装しています)
脚部


リアクティブアーマーが搭載された脚部。装甲が厚く、地上戦を意識した重装備感があります。膝関節の可動は良好で、接地性も高め。


グレーの膝関節パーツに合わせ目ができます。
バックパック

重量増加を補うべく、大型バックパックを装備。ヒート・ナイフを懸架可能です。
ミノフスキー粒子散布装置のグレーはシールで再現されています。

ランドセルに装備されているミノフスキー粒子散布装置は引き出しギミックで展開が可能です。
引き出し辛いので、展開時に破損に注意してください。
付属品


ミニガン。バレル下部にハンドガンを再現しています。(取れません)
センサー類は珍しくメタリックレッドになっています。
後部に装着されるマガジンの右側方に、さらに1個の予備マガジンをマウントすることが可能です。

肩部吊下式ショート・シールド。C字ジョイントで接続されているため、上下に少し可動します。

ビームサーベル。エフェクトは長め。

ヒート・ナイフは刀身が別パーツになっています。
右腰にはハンド・グレネードを搭載。武装の選択肢が多く、組み合わせによってさまざまなシルエットが楽しめます。
シールはホイルシールと機体番号などのマーキングシールが付属します。
可動範囲

HGシリーズとしては標準的な可動域です。重量感のあるデザインですが、動かしてみると意外とポージングの自由度が高いのも魅力です。

膝立ち
組み立て難易度
パーツ数は標準的で、初心者でも組みやすい構成。合わせ目は一部に出ますが、目立たない位置が多いため、素組み派でも十分満足できる仕上がりです。
完成度アップのポイント

ジムスナイパーⅡと同様、肘とふくらはぎにある丸い部分(肉抜き穴)は、グレーなどで塗装が必要となります。
総評

HGジム・スパルタンは、ジム系の中でも特に異彩を放つ存在感を持ったキットです。重厚なデザインと豊富な武装で遊びの幅が広く、シンプルに組むだけでも迫力ある仕上がりになります。さらに塗装やウェザリングを施せば、特殊部隊機らしいリアルな仕上がりを追求できるでしょう。
全体的に完成度が高く、ジム好きはもちろん、ミリタリー系のガンプラを楽しみたい方に強くおすすめできる一体です。