ザクII改は、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場するザクⅡ最終生産型を立体化したモデルです。ザクIIの設計を改良し、『統合整備計画』に基づいて性能を高めた重厚なデザインが特徴です。2008年05月発売。
今回は「HGUC MS-06Fz ザクII改」を以下の状態でレビューしていきます。


機体解説:ザクII改(MS-06FZ)
『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場する、ジオン公国軍のモビルスーツ。
型式番号は MS-06FZ。一年戦争末期に老朽化したザクIIを改修・近代化する目的で開発された機体です。
従来型ザクに比べて装甲が厚くなり、各部は直線的で角ばったデザインへと刷新。胸部装甲など、防御力を意識した無骨なシルエットが特徴です。
スペック面では出力・推力ともに強化されており、性能は連邦軍の最新鋭機ともある程度渡り合えるレベルに達していました。しかし戦局はすでにジオン劣勢であったため、量産数は極めて少なく「幻の改修型ザク」として語られる存在となっています。
基本データ
- 型式番号:MS-06FZ
- 全高:17.5m
- 本体重量:56.2t
- 出力:976kW
- 推力:52,000kg
- 主な武装:MMP-80 90mmマシンガン、ヒート・ホーク、3連装ミサイル・ポッド、シールド
劇中での活躍
本機を最も象徴するエピソードは、サイクロプス隊のバーナード・ワイズマン(バーニィ)が搭乗し、地球連邦軍の ガンダムNT-1 アレックスと死闘を繰り広げた場面。その戦いは今なお多くのファンに語り継がれています。
成形色とカラーリング

成形色は深みのあるグリーンを基調に、胴体の濃いグリーン、そして関節や武装のグレーなど、落ち着いた軍用カラーで構成されています。
素組みでも劇中イメージがしっかりと再現され、塗装派にはさらなるディテールアップの余地があります。
設定を再現するためには、サブスラスターのレッド、ブラックは塗装が必要となります。
各部ディテール
頭部


両端の支柱が撤去された特徴的なモノアイレールを再現。
モノアイの大きさは約3mm。シールで再現され、可動はできません。側面から後ろに合わせ目ができます。


差し替えによりフリッツヘルムのようなBタイプも再現。合わせ目はありません。
胴体

胸部装甲は厚みがあり、肩のアーマーと合わせて重厚感があります。コックピットハッチは別パーツで再現されています。合わせ目は斜めの所にできます。
サイドアーマーは左右で形状が異なります。右側にはハンドグレネードを装備。
腕部


前腕部には合わせ目が出来ます。

肩には大型スパイクアーマーを装備。スパイクアーマーと肩には合わせ目が出来ます。

シールド。シールは余白が目立つので、ガンダムデカールに張り替えたいですね。
脚部


下半身は量産型らしい安定感のあるデザイン。背面にはヒートホークのマウントラックがあります。


合わせ目は全体的に左右に出ます。
付属品


MMP-80マシンガン。銃身下部にグレネードランチャーを装備したタイプになっているのが特徴です。真ん中に合わせ目ができます。


ヒートホーク。腰部にマウント可能。設定では持ち手はグリーンになります。
ハンドパーツは右手は銃持ち手のみ。右手に銃を持たせなかったり、ヒートホークを持たせると、人差し指が浮きます・・・
左手は武器握り手・平手が付いてきます。

ホイルシール。モノアイレールもシールなので、出来れば塗装推奨です。

マーキングシール。余白が大きいので、カットすると質感がアップします。
可動範囲


HGUC初期の可動範囲になります。腕は90度くらい。

膝は約90度まで曲がります。腰回りの動きは控えめです。


股間軸の移動機構により劇中シーンの再現も可能。股下には、アクションベース用のジョイント穴があります。

膝立ちはすこし厳しい・・・
組み立て難易度
パーツ数は多すぎず、初心者でも気軽に挑戦できます。合わせ目は目立つ箇所もありますが、丁寧にゲート処理をすれば素組みでも十分な完成度に。モールドがしっかり入っているため、スミ入れや部分塗装で一気に映えます。
完成度アップのポイント
昔のHGらしく各パーツにできる合わせ目消しがポイントです。
カラーバリエーション

赤い彗星

砂漠用
総評

HGUC ザクII改は、初期HGUCらしいシンプルな構造ながらも、重厚なデザインや豊富な武装で組みごたえのあるキットです。劇中「ポケ戦」の世界観を再現できるモデルで、塗装派やディオラマ派にもおすすめ。合わせ目やハンドパーツなど気になるところもあります。
古さを感じさせないプロポーションとディテールの密度は今でも十分魅力的で、ザク好きや「ポケ戦」ファンにはぜひ手に取ってほしい一品です。